- FORM OF BORDER -

















神戸市内の準防火地域での計画である。100㎡未満のコンパクトな土地にご家族5人が暮らす耐震等級3、断熱等級6の家。ここでは2つの「境界」について着目した。1つ目は敷地境界である。土地の南側に幅3m程度の専用通路があり、その部分まで敷地を拡張して仮想の庭として捉える事で、住宅が密集した環境でありながら日中に南から光が届く空間となった。もう1つは北側斜線制限である。一般的に北側斜線制限が厳しい時は、北の敷地境界から一定の距離を確保して計画するのがセオリーではあるが、その方法ではご家族が必要とする諸室が取れないため、逆に北へ限界まで建物を寄せて間口を広げ、斜線制限という目には見えない法規が生み出す境界なりの外形を構成した。そうする事でこの土地での最大限の容積を確保しつつ無駄な廊下を減らし、部屋だけでなく家事動線や収納まで十分に考慮されたプランとなった。土地や法規の「境界の形」を意識して、この場所だからこそ成り立つ形が生まれた。

