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2017.01.18 22年

阪神淡路大震災から昨日で22年となりました。
当時は中学生。
地震と認識する間も無く、とてつもない縦揺れと横揺れに、ただベッドから落ちないことで必死でした。
揺れのすごさは22年経った今も思い出すことが出来ます。
震度5の余震が日常となっていた異常な状況でした。
大震災は僕たちに、命を守る家があり、水が出て、電気やガスが使えて、スーパーに行けば食料や水が普通に買えることの有難みを気付かせてくれます。
今、僕は地元の神戸に縁あって設計の仕事をしています。
隈研吾さんが新建築の巻頭論文で「ただの建築」がこれからは大切だ、と記していました。
建築家のブランドではなくて、その場所の環境や施工店、大工さん、それに施主やコストも含め、みんなで一体となって一つ一つ丁寧に愛される建築を作ることが大切だと解釈しました。
なんでも特注してお金をかけて設計者だけが自己満足する建築ではなくて、施主の言葉にしっかり耳を傾け、コストも考慮して時にメーカーの既製品もうまく組み合わせながら長い年月で性能を担保し、施主らしさが宿る建築を設計していきたいです。
メーカーの商品も量から質重視にシフトしているのでデザインも質も良いものが増えてきています。
そういう意味で、ハウスメーカーの設計を経験した、という人には実は大きな可能性があると信じています。
ものすごい数の経験から「話を聞く」というヒアリング能力が鍛えられ、限られた部材を組み合わせていかに豊かな空間をデザインをするか、ということを当たり前にやっていたからです。
特別な人だけが設計事務所に依頼するのではなくて、普通にみんなが設計事務所に依頼できる時代が来ると思っています。